■地域の伝統工芸品や名産品、温泉名などをブランドとして登録するのが地域団体商標(地域ブランド)制度。
■地域ブランドを育成して地域活性化を促進させようとの狙いで、06年4月、特許庁が改正商標法施行により制度としてスタートさせている。農業協同組合や各業界団体などが出願して認定を受け、その団体の加入者らが活用できる。
■1月15日現在、地域ブランドの登録件数は339件(総出願件数は、07年12月末日時点で780件)。
■地域別の登録件数では近畿が94件と最も多く、二位の東海北陸が81件、三位に関東甲信越の48件と続く。
■都道府県別では京都の46件が第一位で、お馴染みの「京友禅」や「宇治茶」などが名を連ねる。二位は石川県の24件で、「九谷焼」や「加賀友禅」「輪島塗」などの伝統工芸品が多く、「和倉温泉」「山代温泉」「片山津温泉」なども名を連ねている。三位は兵庫県の21件で「灘の酒」や「有馬温泉」などだ。以下、四位が岐阜県の18、五位が静岡県の12、六位が北海道の11と続いている。
■出願とブランドとしての認定は別で、07年12月末日時点での出願の総数は780件あり、内訳でみると農水第一次産品が最も多く364件、次ぎに伝統工芸品などの工業製品の204件、加工食品の93件と続く。
■認定の条件は、一定の知名度があり、地域名と密接な関連がある商品やサービスであることなどだ。地域と関係ない第三者が地域ブランドを勝手に使用した場合、損害賠償や事業差し止めなどが請求できる。
■博報堂の「地ブランドプロジェクト」が編んだ『地ブランド』(弘文堂)によると、地ブランド(地域ブランド)は三つの領域に分類できるという。
一つは場に着目する「観光地ブランド」、二つ目がモノに着目する「特産品ブランド」、三つ目がそこに住む人や生活に着目する「暮らしブランド」。これを分かりやすく言うと、「行きたい価値=観光地ブランド」、「買いたい価値=特産品ブランド」、「住みたい価値=暮らしブランド」となる。
■この三つのうちのどの地域ブランドを強化して特徴を出すかは地域の現状によって異なるが、本質的にこの三つは有機的に結びついており、統合化することで大きな相乗効果を生み出すことになるとアドバイス。
地域ブランドでいちばんになった京都は、観光地、特産品、暮らしの三つの領域で明確な強みをもち、同時にその三つが結びついて京都の強いブランド形成につながっているとのことだ。
※参考 特許庁資料/日経新聞1月16日夕刊
|