■展示会に携わるもの、いやイベントを手がけるものならまず知らないことはないだろう日本最大の見本市主催会社「リード エグシビション ジャパン」。
同社トップの石積忠夫社長が日本最大の見本市主催会社になるまでの軌跡を綴った『正直者はバカをみない』(ダイヤモンド社)が刊行された。
■同社は現在、宝石、メガネ、ブック、文具などの消費財、またエレクトロニクス、医薬品、バイオ、IT、機械部品などさまざまの分野の見本市を手がけ、その数優に36におよぶ。
いずれの見本市の開催規模も巨大である。著者である同社トップの石積社長の言葉から引用する。
「我が社が開催する見本市の多くは、東京ドームの3個分、4個分の大きさだ。参加国は20カ国30カ国にのぼり、極めて国際的だ。しかも、一回で動く金額は何百億円にもなる」
設立20年を経て同社が開催する年間36本の国際見本市は、「そのほとんどは各分野で最大、アジア最大、世界最大の見本市に成長した。そしてふと気づけば、見本市を主催する分野では、日本最大の組織になっていた」
■もちろん、今日の成功への道は、まさに苦難・苦闘の日々である。その20年の軌跡が石積社長自身の言葉で綴られているのが本書だ。
その石積社長が語る見本市成功の最大の秘訣とはずばり「営業力」であるという。「はじめに営業力ありき」である、と。愚直に小細工なしの真っ向勝負での営業である。
また本物の見本市を実現するために何よりも重要なこととして、「圧倒的多数のバイヤーを集めること」と語っている。さらに、出展社に喜んで集まってもらうためには「お客様(出展者)のお客様を集めてくる」ことが「集客」であるとも。
■筆者は以前、同社を訪ねて石積社長にお会いしたことがある。その時、自著の原稿を執筆している話をうかがった。タイトル云々の話まで出た。ところがなかなかその著書が刊行されない。その事情があとがきで綴られている。
■詳しくは同書を読んでいただくとして、ひと言、筆者が触れておきたいのは、石積社長のビジネス哲学は、何も見本市ビジネスに通用するだけではなく、ひろくあらゆるビジネスに通用するビジネス哲学であるということだ。ビジネスで成功する「王道の哲学」が語られている。
一人でも多くの方にこの本に目を通していただきたい。
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